欲望の母

ただひたすらに二児の母

服に嫌われる

服に嫌われる

 

服がなんでも似合うというのは才能みたいなもんで、おそらくいくら背が高くともいくらスタイルが良かろうと似合う似合わないは別な気がする。肌色とか、顔の造形とか、良い、悪いでなくバランスの問題か。

 


私は最も服に嫌われるバランスなのかもしれない、大体流行の服は似合わない。

 


例えば、私の学生時代、エビちゃんOLが流行った。エビちゃんがわからない人は画像検索でググってほしい。

綺麗で清楚で男性受けのコーディネート、媚びたい、モテない女の私はすぐ飛びついた、CanCamも買った。Apuweiser-riche?なにそれ読めねえ。

まあもちろんそんなブランドの服は買えないので貧乏学生の御用達INGNIである。イングニじゃねえ。イング。初見殺しのブランド。そこで流行りのトレンチコートを買った。白のトレンチ。清潔感を全面にしたやつだ。モテる、勝てる、確信に変わった。当時貧乏学生が出す5000円は苦渋の決断だったが致し方ない。これで勝てるなら安いもんである。

 


次の日早速短大で白いトレンチコートを着ていった。中のコーデは綺麗目タイトのデニムスカート、そして綺麗色のニットと7センチヒール。

颯爽と歩きながら呼び止められた。

「わー?どこの女医かと思った」

この話にこれ以上のオチはない。残念ながら、あと保健室の先生とか色々言われた記憶はあるけどその日以来あのコートは着れてない。そしてあの日のことを未だに酒のネタにされる。「だって女医にしかみえんかったし」20歳の5千円はいかに高い買い物だったか、当時のことを思い出すたび涙が出る。

 


私は、なんというか全ての衣類をその筋の人にしか見せない顔なのだ。

 


ブルゾンジャケットは作業着

カーキーのシャツは探検家

ファーのベストはマタギ

白いレースのブラウスは楽団

 


話し出したらきりがない、服に嫌われるのだ。ハッキリしているのは服のデザインが悪いわけではない。おそらく私の造形になんらかのエラーがあるのであろう。

 


時が変わって最近の話、雑誌によればメンズのTシャツをゆったり着こなすというのが流行っているらしい。夫のシャツを早速拝借してみることにした。

はい、ピッタリ、驚くほどピッタリ

体系がフィットしている。そしてゆったりではけしてない、ピッチリである。

着心地はかなりいいが、やめた。女やめますか?人間やめますか…?

 


いろんな服がある、いろんな人がいる、まだ人生約30年まだまだこれから。似合う服を探したらいいじゃないか、ちなみにカリスマエビちゃんの時代から約15年経った今私は体重もあの時から15キロほど増えた。

服どうこうの場合ではない。そしてその当時交際を始めた彼氏こと今の夫は尚更にお前ふざけんなその体型なんだよ…こんな未来なんだよ…と泣きたい所だろう。

 


最後に30代、肥満なりかけ知りデカ目の下半身太り、イエローベースパーソナルカラー春の私に似合う服を教えてください。

次回は全ての化粧が似合わない(続かない]